こもれび日和
翌日。
歩は朝からそわそわしていた。

保育園に着くなり、直の前で突然手を挙げた。

「ぼく、きめた!
十五夜のよるに……月をみにいって、
ウサギがいるかほんとうにたしかめる!!」

「えっ……!」
直の目がまん丸になる。

近くで聞いていた友達のトモ、マキ、ユイまで目を輝かせた。

「ぼくもいく!」
「わたしもー!」
「ウサギさんほんとにいるなら、みたい!」

なんと、その場で「お月さま探検隊」が結成されてしまったのだ。

もちろん先生には言わない。
秘密の計画だった。


満月が昇った十五夜。
春夏秋冬家では、蘭が団子を、律が豚汁を作り、
家の中には温かい匂いが広がっていた。

そんな中――
歩、直そしてトモ、マキ、ユイの5人は
こっそり靴を履き、戸を開け、夜道へ走り出た。

「こわい……でも行くんだよね?」
「ウサギ、いるかもしれないし……」
「つきがきれいー……!」

月の光だけが道を照らし、
子どもたちは川辺へ向かって歩いていった。
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