こもれび日和
夕方になると、
春夏秋冬家の庭に子どもたちが集まった。

スギムラ巡査も
「地域見回り中」と言いながら顔を出してくれた。

そこへ、どしん、どしん……
足音のような響き。

直がびくっとした瞬間――

「がおぉぉぉーーー!!」

植え込みの陰から、
赤鬼 と 青鬼 が飛び出してきた!

もちろん、律と蘭による変装だ。

「鬼だぁーー!!」
子どもたちはすぐに豆袋を握りしめる。

「おにはそとーーー!!!」
歩が全力で豆を投げる!

「ふくはうちーー!!」
直も頑張って投げるが、
なぜか豆が全部スギムラ巡査の方へ飛んでいってしまう。

「お、おい!直くん!?こっちは福だよ!?福〜!!」

ユイもマキもトモも大混乱の中、
赤鬼と青鬼は「いたたたた〜!」と逃げ回る。

赤鬼役の律が叫ぶ。

「ま、まいった〜!降参だぁ〜!」

青鬼役の蘭が転がりながら、

「強すぎる〜〜!」

子どもたちは大笑い。


豆まきが終わると、
蘭が大皿を持って庭にやってきた。

「みんなー、おつかれさま!
今度は甘い“福まき”だよ〜!」

皿には甘納豆、節分クッキー、
小さなチョコがいっぱい。

「やったぁ!!」
「こっちの豆はすきー!」
「ふくふく〜!」

お面をつけた子どもたちは、
今度は笑顔でいっぱいになった。

スギムラ巡査は
帽子についた直の豆を拾いながら、

「いやぁ、今年の節分は平和だなぁ……
鬼より強い子がたくさんいる……」

と苦笑していた。


家に戻ると、
歩は赤鬼のお面を壁に飾り、
直は青鬼のお面を大事に抱えていた。

「きょう、たのしかったね!」
「また来年も鬼やっつけようね!」

蘭は静かに微笑み、

「今年も元気に過ごせますように」

律も頷き、

「福がいっぱい来ますように」

家の外では、
冬の風が少しだけやわらかな音を立てていた。

コモレビ村の節分は、
笑顔と元気があふれる、にぎやかな一日となった。
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