こもれび日和
「ここが……私たちの新しい家?」

律はうなずいた。

「うん。古いけど、ちゃんと暮らせるよ」

蘭はそっと縁側の木を触った。

「なんか……あったかいね」

すると――
「おーい、誰か来たぞー!」

畑の方から声がして、目ざといおばあさんが二人に近づいてきた。

「まぁまぁ、若い子じゃないの!新しい住人かい?」

「え、えぇ。今日からここで暮らすことになりまして……」

蘭が照れながら挨拶すると、
おばあさんはぱぁっと笑顔になった。

「それはようこそ!
ちょっと待ってなさい、みんな呼んでくるから!」

そう言って走り去ると――
ほんとうに、
村中から人が集まってきた。

「いつ来るかと楽しみにしてたんだよ」

「若い人が来てくれるなんて嬉しいねぇ」

「ほらほら、これ持ってきな」

大根、卵、手作りのおはぎ、山菜のお浸しまで、
手みやげを次々と渡されて、
二人の腕はあっという間に荷物でいっぱいに。

蘭は驚きつつ、目をぱちぱちさせた。

「え、えっと……ありがとうございます……!」

律は、胸の中が温かくなるのを感じた。

(こんなに歓迎してくれるなんて……
ここからなら、本当にやり直せるかもしれない)

「せっかくだから、みんなで歓迎会しようよ!」

誰かが言うと、集会所へ案内された。

囲炉裏のある大きな部屋には、地元の野菜を使った料理が並ぶ。
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