こもれび日和
コモレビ村に引っ越してきて数日。
春夏秋冬家の古民家は風情たっぷり……だが、同時にボロさも満点だった。

「ねぇ、律……この床、ちょっと沈んでない?」
「え? ……あ、本当だ。沈んでる。というか“凹んでる”」

パキッと木が鳴り、二人は顔を見合わせた。



翌朝、近所の大工のシゲルさんがやってきた。
腰に工具をぶら下げ、日に焼けた腕がたくましい。

「おう、若ぇの。古民家はな、どこかしらガタが来とるもんよ。
今日はワシが手伝っちゃる」

そう言って、床下に潜り込んだシゲルさん。

「……おーい律! この梁、ちょいと弱っとるぞ!」

「は、はいっ!」
律は手渡しで板材を運び、
蘭はメモをとりながら見守る。

「わたしも……何かできることあるかな?」

「ほんなら釘をたのむ!」
「は、はいっ! 釘担当やります!」

蘭の釘担当デビューである。
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