こもれび日和
「蘭さんが望む形でいいんだよ。
 血がつながってなくても……家族は作れるから」

「……家族」

その言葉は、蘭の心に優しく沈んでいった。


ひときわ冷え込んだ春の夜。
ふたりは夕食を終え、炬燵に入りながら雑談していた。



その時、テレビの緊急ニュースが場の空気を変えた。

「アカツキ市で、30代の夫が錯乱状態となり、妻を殺害後、自ら命を絶ったとみられ……
現場には3歳の双子の男児がおり、無事保護されました」

蘭は息を飲み、律はリモコンを握ったまま固まっていた。

「3歳の……双子?」
「無事って……どういう状況なの?」

ニュースキャスターの淡々とした声が続く。

「双子の男児は、近所の通報で駆けつけた警察官により保護されました」

画面には、夜の住宅街、パトカーの赤い光、
そして小さな影を抱き上げる警察官の後ろ姿が一瞬映った。

「……あの子たち、これからどうなるんだろう」

「保護されても……親はいない。きっと施設に……」

その夜、2人は寝床に入っても眠れず、
胸にこびりついたのは小さな子どもたちの不安そうな背中だった。
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