こもれび日和
「はっぱを摘んで〜、そよ風ひらり〜!」
「ひらり〜!」

歩と直は練習どおりに、
——たまに転びそうになりながら——
一生懸命踊っている。

律は焼きそばの手を止めて観に来て、
「おーい! 歩、直! かっこいいぞー!」
と大きく手を振った。



そして夕涼み会のクライマックス。

園長先生の合図で、村の空に一発の音が響く。

ドーン!

大輪の花火が夜空に咲いた。
赤、青、緑、金——次々と光が弾ける。

歩と直は蘭の手を握り、
目を丸くして空を見上げていた。

「すごい……!」
「おほしさま、いっぱい!」

律もそっと3人を抱き寄せる。

その瞬間、花火の光に照らされた春夏秋冬家の四人の横顔が、
とてもあたたかく、幸せそうだった。



花火の余韻が冷めないまま、
園庭には「また来年ね!」という声が飛び交う。

歩と直は眠そうに目をこすりながら、
「たのしかったね……」
とつぶやいた。

蘭は二人の頭をそっと撫でる。

「うん。来年はもっと素敵な夏にしようね」

コモレビ保育園の夕涼み会は、
コモレビ村の夜空に光る小さな宝物のような時間となった。
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