こもれび日和
8月の空は高く、蝉が賑やかに鳴きしきるお盆。
春夏秋冬家では、朝からそわそわした空気が流れていた。

「歩、直! そろそろ出発するよー!」
蘭の声に、2人がバタバタ走ってくる。

今日は、律の実家・ヒバリ村 へ家族で帰省する日だった。


バスの中、窓から見える景色はどんどん田んぼが増え、
やがて緑の濃い山並みが近づいてくる。

歩は揺れるたびに笑い、直はタツコの膝でウトウト。

電車に乗り換えると、
ガタンゴトンとリズムよく揺れる音が心地よく響いた。

「おかあさん、みて!」
歩が指さす外には、川沿いを白いサギが歩いていた。

「ほんとだ。ヒバリ村が近いねぇ」

律は少し照れながらも嬉しそうだった。
「懐かしいな…あの橋、子どもの頃よく渡ったんだ」
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