契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

35.ハッピーウェディング、日陰!

送迎車に乗り込み、見送られながら私たちは笹沼邸を出た。

「緋色、今まで1人で頑張ったね」

 私は彼がどれだけ悲しみを抱えながら、慣れない子育てを頑張ったか思いを巡らせていた。
 私が彼に抱きつくと、彼も私を抱き返して頭を撫でてくる。

 その時、車内のテレビに速報が流れた。

「陽子が捕まった⋯⋯」

 緊急ニュースで、保釈期間中の小笠原陽子が傷害事件を起こしたことが伝えられた。

(陽子がやっと捕まった⋯⋯蓮さんは大丈夫かしら?)

 私は、昨日やっと壁に手をついて立てるようになっていた彼を思い出して心配になった。
 その上、これは彼が逆らえないと言っていた父親の意に反する行動だ。

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