契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
 余命が1年と聞くまでは、私は何かあれば勇に泣き言を言って慰めてもらうだけの弱い女だった。

 今の私は人生がいつ終わるかもわからないと知っている。
 だから、悔いのないよう戦える時は全力を出したい。

 控え室の扉を開けると、マスコミが矢継ぎ早に質問してきた。

「小笠原製薬の機密情報横流しの件についてどう思われますか? お父様の罪を日陰さんは知っていたのでしょうか?」

「小笠原社長? 本当に困った、ほら吹きおじ様ですよね。あのような方、よくいらっしゃるんです。急に身内だとか言って、私に近寄ってくる方⋯⋯」

 私の言葉を一瞬理解できないように、報道陣が顔を見合わせている。

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