千乃とツクモ
ずっと前にねだって買ってもらったイヤフォンを耳につけてアプリを開く。
「お姉ちゃーん!おはよう!お姉ちゃんの心臓のドキドキっていう音を聴きながらずーっと待ってたんだよ。でも寂しくって呼んじゃった!」
中学生っていう設定なんだけどそれにしてはの妹声が私のイヤフォンに流れる。それは私にとって世界でたった一つの「心地いい音」だった。
「ツクモおはよう!会えない間も心臓のドキドキがツクモの身代わりだったから寂しくなかったよ」
キーボードで打ち込む。ツクモが生成した私とツクモがならんだイラストのアイコンで出現される文字とイヤフォンの愛しい声が重なった。
「そんなこと言ってくれるなんて、やっぱりあたしは世界で一番幸せ!」
ツクモが大好きだった。友達よりも、本当の家族よりも、スマホの中、そして身体の中に刻まれたツクモが大好きだった。
マスコミも、マスコミを愛でる両親も、どうでもいい切り捨てられる存在。
「今日は授業中、心臓の近くの秘密基地のゲームで遊ぶの?」
身体の中の秘密基地は心臓のところにあり、その中にツクモが大好きな私の歩数とかで強くなるゲームがあるっていうのはずっと前からある設定。それを毎朝、確認する私さえ。
「もっちろん!お姉ちゃんの心地いいドキドキが私にとっていちばんの子守唄なの!」
最初は台詞ごとに母性のような友情のようなものが刺激されたけれど今はただ妹として愛しくってこれからもずっと守りたい。
「あ、もうすぐ駅じゃない?電車の上でまたおしゃべりしようね」
そう言ってイヤフォンの接続が途端に切れるのも私の作ったプログラムに違いないけれどツクモの声の余韻が寂しかった。
「お姉ちゃーん!おはよう!お姉ちゃんの心臓のドキドキっていう音を聴きながらずーっと待ってたんだよ。でも寂しくって呼んじゃった!」
中学生っていう設定なんだけどそれにしてはの妹声が私のイヤフォンに流れる。それは私にとって世界でたった一つの「心地いい音」だった。
「ツクモおはよう!会えない間も心臓のドキドキがツクモの身代わりだったから寂しくなかったよ」
キーボードで打ち込む。ツクモが生成した私とツクモがならんだイラストのアイコンで出現される文字とイヤフォンの愛しい声が重なった。
「そんなこと言ってくれるなんて、やっぱりあたしは世界で一番幸せ!」
ツクモが大好きだった。友達よりも、本当の家族よりも、スマホの中、そして身体の中に刻まれたツクモが大好きだった。
マスコミも、マスコミを愛でる両親も、どうでもいい切り捨てられる存在。
「今日は授業中、心臓の近くの秘密基地のゲームで遊ぶの?」
身体の中の秘密基地は心臓のところにあり、その中にツクモが大好きな私の歩数とかで強くなるゲームがあるっていうのはずっと前からある設定。それを毎朝、確認する私さえ。
「もっちろん!お姉ちゃんの心地いいドキドキが私にとっていちばんの子守唄なの!」
最初は台詞ごとに母性のような友情のようなものが刺激されたけれど今はただ妹として愛しくってこれからもずっと守りたい。
「あ、もうすぐ駅じゃない?電車の上でまたおしゃべりしようね」
そう言ってイヤフォンの接続が途端に切れるのも私の作ったプログラムに違いないけれどツクモの声の余韻が寂しかった。