絶対恋度
わたしと、絃葉と、柑花と、燈埜。わたしたちは高校時代、その時間のほとんどを一緒にいた。

その上で今現在、燈埜とだけは連絡を取っていないし、取る資格がないって思ってた。

そんな気まずさを残しながら、ひとつの仮定が浮かんだ。

まさかこの展開、絃葉の手のひらの上?

「つかおまえなにしてんの。男とふたりで飲むとか、束縛強めの彼氏に怒られるんじゃねえの」

燈埜はジョッキを置くと、何食わぬ顔でわたしの日常をなぞった。束縛強めの彼氏なんて言葉を聞く限り、おそらく、絃葉を通してわたしのプライベートは筒抜けだろうし、それはわたしも同じだ。

「別れたらしいよ」

わたしに代わり、絃葉が説明する。

「は?同棲してんじゃなかったの?」

同棲の件も知られているらしい。

隠しても無駄だと悟り、口を割る。

「そう。浮気されたあげく“俺たちの為に別れてほしい”って浮気相手と一緒に頭下げられたから出てったの」

「はあ?おまえが出ていく必要あんの」

「向こうがマンションの契約してたから、居座るわけにはいかないじゃん?」

家賃はきれいに折半だったけどさ……と、肩を落とす。

「実家から新幹線通いかー……さすがセレブ」

「さすセレ」と、絃葉もその冗談に乗った。まったく男子というのは何時になってもこういう時だけ結束が強い。


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