チョコレート☆クライシス

第2話 スイートキッチン☆

「……ちょっと、藤くん! 近い、近いよ……っ!」

連れてこられたのは、藤くんの家にあるプロ仕様のキッチン。
目の前には、私がスーパーで見ていた最高級のチョコが山積みになっている。

「動くな。温度管理がシビアなんだよ、チョコは」

背後から包み込むように、藤くんの手が私の手に重なる。
チョコを刻む私の手元を直すふりをして、耳元で熱い吐息が聞こえる。
……これ、実質バックハグじゃん!

「藤くんの部屋で、二人きりなんて……聞いてないよぉ」

「うるさい。最高のチョコ作って、あいつの鼻を明かしてやるんだろ」

藤くんの声は冷たいのに、重なっている手のひらはびっくりするほど熱い。
心拍数が、ボウルを叩く音より大きく響いて、全身がとろけそう。

「……あ」

指先に少しだけチョコがついた。
それを拭こうとした瞬間、藤くんが私の手首を掴んだ。

「……もったいないだろ。最高級のカカオなんだから」

そう言って、藤くんは私の指先を――。

「……っ!?!?(なななな、今、舐めた!?)」

「……ふん。やっぱり、お前の作るチョコは甘すぎる。……でも、悪くない」

不敵に微笑む藤くんの瞳は、まるで溶けたチョコみたいに甘くて、デンジャラス☆
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