ミラージュ・プリンセス♡ 〜私が、王女さまって本当ですか?〜
 空気を求めて、じたばたと私がもがいている時、入口の扉が開いた。

「……何をしているんですか、あなたたちは」

 絶対零度の声。
 そこに立っていたのは、腕組みをしたユーリウスだった。
 眼鏡がキラーンと光っている。

「ライト、ロゼリア様から離れろ。そしてロゼリア様……少し、お話があります」

 ひいぃぃ!
 やっぱり来たー!
 
「ついて来てください」

 ユーリウスの言葉は短く、拒否権なんてありそうになかった。
 思わず、ライトに助けを求める視線を送ったけれど、彼は「あわわ……ロゼリア様、頑張って……」と手を合わせているだけだ。

 連れてこられたのは、王宮の端っこの方にある図書室だった。
 天井まで届く巨大な本棚が壁一面に並び、数え切れないほどの本が収められている。
 窓からは静かな午後の光が差し込み、とても静かだ。
 ページをめくる音さえ響きそうな空間。

「……座ってください」

 ユーリウスが優雅な手つきで椅子を引く。
 私は小さくなって座った。
 目の前には、腕を組んだユーリウスが仁王立ちしている。
 まるで取調官みたい。

「単刀直入に聞きます」

 眼鏡の奥の瞳が、スッと細められた。

「あなたの目的は何ですか?」
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