雪音だけのライブハウス
<十数年前(愛祈琉(あいる)の幼少期)>

愛祈琉(あいる)
「お母さん、TVの電源つけっぱなしだよ?」


『画面が真っ暗じゃないの、消えてるでしょ。』

愛祈琉(あいる)
「”キーン”って音が見えるの。」


『音が見える?何を言って…。』

パチン

愛祈琉(あいる)
「ホラ!やっぱり電源だけ入ってた!」


『…。』

私には、TVや家電の電源だけ入っていて動いていない時の”無音”が見える。

耳で聴こえる音ではなく、頭に電子音のイメージ画像が届く。

特に好きな音は、無風の雪原に響く「しん…しん…」という雪音(ゆきおと)

幼い頃の私は、みんなも同じように「無音の絵」が見えると思っていたが、


『それ、人前で言わないでね、気味悪がられるから。』

友人
『(ひそひそ…)愛祈琉(あいる)がまた危ないこと言ってるよ。そのうち降霊術にでも付き合わされるんじゃない?』

愛祈琉(あいる)
(みんな…どうして?”音が見える”って恥ずかしいの?私…おかしいの…?)

私は家族やクラスメイトから気味悪がられ、家でも学校でも孤立してしまった。
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