両思いでしたがタイムトリップして、敵国の王子と王女になりました!?
ラブレター?
 連くんからの手紙には、こう書いてあった。

『久しぶりだね、美亜。
 今回はね、いいニュースをもってきたよ。

 今月、スター国の建国記念日がある。
 その日にパーティーを催す予定なんだ。
 各国に出席してもらうけど、今回はハート国にも招待状を送る予定だよ。

 敵国なのに招待?って不思議に思うよね。
 これはね、俺がお父様(スター国の王様)に提案した事なんだ。

 ハート国に、わが国のスゴさを見せつける良いチャンスですよって。スター国は力を持っているんだ、と牽制しませんか?――って。
 そう言ったんだ。

 すると、なんとね。
 OKの返事が出た!
 ハート国に招待状を送る――
 つまり、ミアがスター国に来れるって事だよ。
 俺たちは、また会えるんだ。
 今から楽しみで仕方ないよ。

 ただ……牽制なんて言葉を使ってごめんね。
 そうでも言わないと、許しが出ないと思ったんだ。

 近いうちに、招待状を送るね。
 正式な書面だから、ネネやロロの経由じゃないよ。注意してね』

 連くんからの手紙を読み終わって力が抜けた私は、その場に座り込んでしまった。
 だって、だって!

「連くんと、また会えるの?
 しかも、今度は堂々と!」

 涙を流してお別れした、あの日から。
 私は、ずっとずっと、こんな日を夢見ていた。

「ねぇロロぉ。
 これって、夢じゃないよね?
 ちゃんと現実だよね?」
「頬をつねってみれば、いいんじゃね?」

 言われて、ギュムっと頬をつねる。
 スッゴク痛い。

「良かったあ~、夢じゃなかったよ~!」

 手紙を抱きしめて、ワンワン泣く私。
 そんな私を、ロロはクッキーを食べながら笑って見た。

「レンが動いてくれたおかげだな。
 良かったな、ミア」
「ロロ……、ありがとう。
 でも、ロロとネネちゃんが手紙を運んでくれたおかげだよ。
 本当に、ありがとう!」
「……ん。わかった、わかった」

 ロロは呆れたように笑いながら、また、クッキーをパクリ。

「このパーティで友好関係が築ければ、今後の二国の関係はひっくり返るな。
 腕の見せ所だぞ、ミア。
 外交について、たくさん勉強しとけよ」
「そうだよね、うん!
 私がんばるよ!」

 ハート国とスター国が、どうしたら仲良く出来るのか――
 その方法を、パーティの日までに考えないと!
 あ、それに。

「パーティ当日は、どんな服を着て出席しようかなあ~!
 これって、いわゆるデートってやつだよね!?」
「いや、王女としての仕事だろ」
「デートも仕事のうち!
 ミア、がんばります!」

 ビシッと敬礼した私を、今度こそロロはため息をついて見た。
 手紙を持って帰るために、たくさん飛んで疲れたのか「少し寝る」と、ベッドに向かう。

「お手紙運んでくれてありがとう、ロロ。
 たくさん休んでね」

 すると、一度体を横にしたはずのロロが、またムクリと起きる。
 あれ、どうしたのかな?

「俺が起きるまでに、返事、書いておけよ」
「え、でも手紙を持って行く曜日は決まって、」

「俺ひとりでスター国に手紙を持って行っても、文句は言われねーだろ。
 レンも、ミアの返事を早く聞きたいだろうしな」
「ロロ……」

 いつも、とっても優しいロロ。
 ううん、優し過ぎるほどだ。

「私ね、自分がここまで頑張れるって、思ってなかった。
 最初は、生きる気さえ起きなかったし」
「ミア?」

「ロロがいてくれたおかげで、私はいつも楽しくて幸せな毎日を送れてるよ! こんな私の傍にいてくれて、本当にありがとう!」
「! べ、別に!」

 照れたのか、ロロは私から目を逸らして、再びベッドに横になる。
 あ、耳が真っ赤。
 ずっと一緒にいるから、例えロロが何も言わなくても、ロロが何を考えているか、分かるようになってきた。
 ちょっとだけ、からかってみようかな?

「”俺もミアと一緒にいられて楽しいぜ”、って、いま思ってる?」
「は?」

「ついでに言うと――
 ”どうやったらネネと、もっと仲良くなれるんだ?”って思ってる?」
「はあ!?」

 ロロは、再びベッドから起き上がる。
「そんな事、思ってねーよ!」と、耳だけじゃなく顔を真っ赤にさせながら。

「顔、真っ赤だよ?」
「う、うるせーよ!」

 ははん、やっぱり。
 この反応――
 ロロは、ネネちゃんの事が好きなんだ!
 ネネちゃんと一緒にいる時、ロロが喜んでいるように見えたのは、見間違いじゃなかったんだね。

「誰がネネの事なんか!」
「いいよ、ロロ。
 ロロがネネちゃんの事をどう思っているか、手に取るように分かるからさ」
「何も思ってねーよ!」

 珍しく慌てるロロを見て、ついからかっちゃう。
 そんな、私とロロの楽しい時間。
 だけど――
 この先、私たちの運命は大きく変わる。

「え……?
 出席って返事をした文が、スター国に届いてない!?」

 それは、パーティを前日に控えた日。
 連くんから貰った手紙により、ハート国から出欠の返事がない事を、私たちは知らされたのだった。
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