ただ君を愛したいだけ
それだけ打ち解けたということだろうか。
うれしいような、複雑なような……。


『智くんとハンバーグなのー』
「そう、よかったわね」


早速陽菜の好物を食べさせようとしてくれているらしくて、助かった。

少しでも陽菜の気が紛れればいいのだけれど。


『明日、いちごも買うんだよ。一緒に食べよーね』
「うん、楽しみにしてる」
『あのね、ママ。先生がお絵描きじょおずって』
「ママも見たいなあ」
『見せてあげる!今日ね――』


自慢げに語る陽菜だけれど、会話が途切れないように必死になっているのが伝わってくる。
寂しいのだ、きっと。


『陽菜ちゃん、そろそろママもご飯の時間だ。また明日にしよう』


智治さんもそれに気づいて、説得してくれる。
私からもう終わりと言うのはつらく、助かった。


『そっかあ。ママ、明日いちごね』
「うん。待ってるね。……大好きよ、陽菜」


普段できるだけ好きだと伝えるようにはしているけれど、自然と口から漏れた。


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