ただ君を愛したいだけ

「違う人とお泊まりって?」


智治さんが私に聞いてくる。


「夜間のシッターさんをお願いしたんです。保育園の送り迎えもしてくださるそうで」
「そっか……」


難しい顔をする智治さんは、完全に不貞腐れて彼の肩に顔をうずめてしまった陽菜に話しかける。


「陽菜ちゃん、おじさんと一緒ならいい?」
「智治さん……」


智治さんの言葉に驚き、目を瞠(みは)る。


「もともとママが退院するまで一緒にいるつもりだったんだよ。ママがいないと寂しいのはよくわかってる。昨日もたくさん我慢したもんな。でも、ママは無理をするとおうちになかなか帰れなくなっちゃうんだ。おじさんと一緒でも、嫌かな?」

「智治さん、そんな……」


さすがにそんなことをしてもらう義理はないと口を挟もうとしたが、手で制された。


「智くんのおうち行く?」


目に涙を浮かべた陽菜は、ようやく顔を上げて智治さんを見る。


「陽菜ちゃんがよければ行こう」

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