ただ君を愛したいだけ
「こぐまさんのはちみつケーキは?」

「もちろん、読んであげるよ。昨日はパソコンで読んだから、今日は本屋さんで買って帰ろう」


こぐまさんのはちみつケーキは、陽菜のお気に入りの絵本だ。

タイトルを聞いて電子書籍を探してくれたのかもしれない。


「夕ご飯はなにがいいかな」
「ちゅるちゅる!」


陽菜の答えに、智治さんの頬が緩む。
彼の家になら行くという意思表示だからだ。


「うどん? スパゲティ?」
「オレンジの!」
「スパゲティかな?」


智治さんは私の顔をちらりと見る。


「ナポリタンスパゲティです。でもピーマンはちょっと苦手で」

「そうか。おじさんと一緒だ。ピーマンはママと一緒に頑張るとして、今日はピーマンなしで作ろう」

「智くん作れりゅー?」


昨日のハンバーグはレストランで食べたのかもしれない。

陽菜は不思議そうに尋ねているが、実は彼は料理上手でもある。

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