ただ君を愛したいだけ
すこぶる手際がよく、時間があるときは手の込んだ料理も振る舞ってくれた。


「任せとけ。ソーセージ入れような」
「やったあ」


陽菜はすっかり涙も乾き、ぴょんぴょん飛び跳ねて智治さんに抱きついている。

彼だって一昨日が初めましてだったのに。
ひと晩でこれほど打ち解けたのは、やはり親子だからだろうか。

ふとそんなことを考えて打ち消す。

智治さんが優しいからよ、きっと。


「よし。まずはいちごとポリポリを食べよう。牛乳買ってきたぞ」


智治さんはいすを出し、陽菜を座らせてくれる。


「すみません」


なにからなにまでやらせてしまい、退院するまで陽菜の面倒まで見てくれるという彼に頭が上がらない。

陽菜に号泣されて困り果てていたところだから余計に。


「陽菜ちゃんは、笑ってるママが好きだぞ」
「そうですね」
「ママー、早く食べりゅよ」


もういちごにしか目がいかない陽菜に急かされ、大きないちごを口に入れた。

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