ただ君を愛したいだけ
「そうなんです。ちょっとおてんばで。保育園の園庭を裸足で駆けまわって足の裏を切ったり……」


気持ちよさそうだったからという理由で靴を脱ぎ捨て、突然走りだしたのだとか。

しかし、裸足で遊ぶ場所ではないため、小石で足を切ってしまった。


「そっか、裸足か。やってみたいよな」


智治さんは、目を細めて陽菜の頭を撫でる。

そういえば……いつか私たちに子供が生まれたら、庭を裸足で走り回らせてやりたいと話していたっけ。

そんなことをふと思い出して、少しどきりとした。


「よし。今日は天気もいいし、あとで公園に行こうか」
「ほんと?」


陽菜はたちまち目を輝かせるけれど、私は焦った。


「そんなことまで――」
「俺も久々に体を動かしたいんだ。なんの遊びが好き?」
「かけっこー」


ニッと笑う陽菜が意気揚々と答える。すると智治さんは噴き出した。


「滑り台とか言われると思った。かけっことは、なかなかストイックだな」


たしかにそうだ。
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