ただ君を愛したいだけ
それで触発されたのか。


「おしゃれさんだね。でもあれはすごく熱いのよ」
「あちち?」
「そう、あちち」


こっそり使わないように、わざと険しい顔をして伝える。


「あれは大人になってからだな。せっかくのきれいな髪が傷むし」


智治さんは、陽菜の頭をトントンと優しく叩(たた)いて伝える。


「えー、クルクルー」


どうやら巻き髪が気に入ったようだ。

自分でやると、あんなに面倒なこと……と思いがちだが、ふわふわの髪にあこがれる気持ちはわからないではない。

私のメイクの真似をしてフェイスパウダーを顔にはたき、口紅をこっそりつけていたこともあるし、興味津々なのだろう。

そのときは顔があまりに真っ白で笑ってしまったけれど、私よりおしゃれ好きなのだ。


「そっか。それじゃあ今日の夜、あちちじゃない方法でクルクルしてあげるよ」


智治さんがそう伝えると、陽菜の目がたちまち輝く。


「わーい、クルクル!」
「どうするんですか?」
< 45 / 51 >

この作品をシェア

pagetop