ただ君を愛したいだけ
彼は昔とちっとも変わらない優しい表情で語る。

安堵のあまり目尻から涙がこぼれると、そっと拭ってくれた。


「……陽菜はどこに?」
「保育園に預かってもらってるよ」


保育園? 金曜の夕方に事故に遭ったはずだけど、今日は何日なの?


「今日は何曜日……?」
「土曜だ。保育園に事情を話したら、土曜保育を受け入れてくれた。事故に遭ったばかりだから陽菜ちゃんが心配で電話を入れてみたんだけど、元気にお絵描きをしていると先生が教えてくれた」


きっと陽菜から保育園を聞き出して連れていってくれたのだろう。

目覚めない私の隣に置いておくわけにもいかないし。

でも、昨晩はどうしたのだろう。
病院に泊まれるはずもない。


「いろいろすみません」

「保育園の先生が、いつも以上に注意して見ておくとおっしゃっていたから心配ない。とにかく、ドクターを呼ぼう」


彼はナースコールをして、私の目覚めを知らせてくれた。

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