月が青く染まる夜に
そこで、ふと手が止まった。
旭陽電力株式会社
設備本部
道路交通設備課
保守担当 佐藤 迅和
────あれ?迅和くんって…苗字が佐藤?
てっきり迅和が苗字だと思ってた!
思い返せば、佐藤印が押された書類を何度も何度も受け取ってきた。あれは彼のものだったのだ。
コピー機に移動して、名刺用の紙に差し替えて印刷を開始する。
綺麗な程よい厚紙に、しっかりと佐藤迅和と印字された名刺が小気味よくトレイに排出されてゆく。
もう自分のデスクで事務作業をしている彼に近づいてみる。
眉間にシワを寄せて、変電所の遠隔監視データを解析しているようだった。
私には理解できない、小難しい数字が羅列されている。
集中しているであろうその背中に、「迅和くん」と話しかけた。
パッと振り向いた彼は、私の手の中にある名刺に気がついたようだ。
「ありがとうございます」
「うん。とりあえずの数で。あとまた追加で印刷しておくね」
「お手数をおかけします」
丁寧な手つきで受け取る彼は、やはり私とは視線を合わせない。
旭陽電力株式会社
設備本部
道路交通設備課
保守担当 佐藤 迅和
────あれ?迅和くんって…苗字が佐藤?
てっきり迅和が苗字だと思ってた!
思い返せば、佐藤印が押された書類を何度も何度も受け取ってきた。あれは彼のものだったのだ。
コピー機に移動して、名刺用の紙に差し替えて印刷を開始する。
綺麗な程よい厚紙に、しっかりと佐藤迅和と印字された名刺が小気味よくトレイに排出されてゆく。
もう自分のデスクで事務作業をしている彼に近づいてみる。
眉間にシワを寄せて、変電所の遠隔監視データを解析しているようだった。
私には理解できない、小難しい数字が羅列されている。
集中しているであろうその背中に、「迅和くん」と話しかけた。
パッと振り向いた彼は、私の手の中にある名刺に気がついたようだ。
「ありがとうございます」
「うん。とりあえずの数で。あとまた追加で印刷しておくね」
「お手数をおかけします」
丁寧な手つきで受け取る彼は、やはり私とは視線を合わせない。