月が青く染まる夜に
次はまた違う別テーブルから声が上がった。

「制御盤のPLCも更新時期だ。部品供給終了してる型番もある」

確かに。それも一理ある。
在庫は一台分だけ。

次から次へと意見が出る。

「制御が止まれば生産ラインが止まりますね」

「でも受電が落ちれば全部止まる」

空気がぐらぐらに揺れる。


出てきた意見をノートに書き留めながら、講師の男性が
ホワイトボードにキュキュッという音をさせながら文字を書き足していくのをちらっと見る。

・受電設備更新
・PLC段階更新
・非常用発電機増設案(200kVA→300kVA)

と並ぶ。


私は隣でずっと議事録を取っている真奈美さんの手元を覗き込んだ。
復旧時間とコストを横並びに書いていた。

真奈美さんも、なにか言いたいのか私に目配せしてきた。たぶん、同じ意見を持っている。
確信して、顔を上げた。

「総務からですが、更新しない場合の“説明責任”は、どこが持ちますか?」

意見が止んで、室内が静まる。
少しヒヤリとしたが、ちゃんと討論しなければ意味がない。

ペンを持つ手をきゅっと握り、言葉を変える。

「もし受電設備が事故停止した場合、“なぜ事前に更新しなかったのか”という問いに、私たちはどう答えますか?」


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