月が青く染まる夜に
「映った!」

思わず彼を見る。
歓喜の私とは温度差があり、彼は冷静に原因を分析中だった。

「HDMIのハンドシェイクがうまくいってなかっただけだよ」

「なにそれ」

「接続確認みたいなもの。紗菜さんのせいじゃなく、こいつ自身がたまに失敗する」

トン、と指でやさしく叩いた。
たまに失敗するのは機械だけでいい。
私はなるべく失敗したくない。


「ありがとう。ほんと助かった」

心からの、お礼の言葉。

迅和くんはスクリーンを見上げて、明るさを少しだけ調整する。ちゃんと微笑んでいた。

「念のため、再起動は避けておいた方がいいかも。今は安定してるし」

そして、少しだけ声を落とす。

「間に合ったね」

その声は、たぶん、会社用じゃない。

「安心した?」

尋ねられて、思わず睨んだ。

「迅和くんって、もともとずるいのは知っていたけど、ここまでだとは思わなかった」

「僕が?ずるい?そんなの紗菜さんくらいだよ、言ってくるの」

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