月が青く染まる夜に

もなかではなさそう

カーテン越しの光で目が覚めた。

目覚ましより早い。
嫌な予感しかしない。

平日なら五度寝確定の時間なのに、今日はぱっちりめがさめてしまった。悔しい。


ベッドでゴロゴロしながらスマホを手に取る。
通知はゼロ。

当然だ。時間も場所も決めていない相手から、どうやって連絡が来るというのか。

「まめなタイプじゃなさそうだし…」
思わず自分でつぶやいて、ちょっと笑う。

布団の中にいるちくわが小さく鳴く。
「あ、起こしちゃった?」と撫でると、まだ眠そうな目を細めてすりすり寄ってきた。

ひとときの癒しに、胸の奥がほっとする。


「ちくわ、今日……ちょっと出かけてくるね」

首元を撫でながら言うと、ベッドの中でちくわは再びまどろむ。
私は一度枕に突っ伏して、すぅーっと息を吐いた。よし、行こう。


時計を見る。九時三十五分。
早い?いや、川に行くならちょうどいい気もする。

霜鳴川って、午前中のほうが光も綺麗そうだし。
知らないけど。

カーテンを開けると、空がやたら青い。
隣のベランダで洗濯物が風にあおられて暴れている。


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