悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 「だったら大人しくなさるのはいかが?」
 「どうしてもおまえに会いたかったんだよ」

 意地悪く言われて、苦笑で返す。
 望む言葉を与えるのは楽しい。彼女の誘導に身を任せるのは快感だった。

 ソファから頑なに動こうとしないロベリアに近づき、会えなかった期間の許しを請うように跪く。

 父上の逆鱗に触れるのを覚悟の上でここにきた。
 それだけロベリアを愛していた。
 こんなことを思うのは生まれて初めてだ。女なんて、性欲解消と暇つぶしの道具でしかなかったのに。
 自室に閉じ込められている間、狂おしいほどにロベリアのことばかり考えていた。

 「同じことをヴェロニカにも?」

 冷ややかに言われ、ぎくりと固まる。
 責めるような視線にたじろぎそうになるが、それが嫉妬によるものだと気づいて胸が熱くなる。

 「気づいていたのか」
 「ええ。あなたのことならなんでもお見通し」

 澄ました顔で、なんでもないようにロベリアが言う。

 喜びに全身が震えそうだ。
 素っ気ないように見せかけて、常にオレの動向を気にしているなんて。
 イレーヌの時は監視されているようでただ鬱陶しかったのに、愛する女なら執着心すら愛おしく思えるから不思議だ。

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