悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 ルキウスに警戒を促したのは、嫌がらせなんかではない。
 長く女の世界で生きてきたわたくしの勘が無意識に嗅ぎ取ったのだ。あの女が発する、嘘つきの匂いを。

 なのにルキウスに早くあの女を追い出せとせっついても、「慎重に調査を進めています」と言うばかりで一向に事態は動いてくれない。
 国民には「有能」だの「セルトラヴィアの良心」だのともてはやされていい気になっているらしいが、まったく使えない男だ。

 きっとルキウスもあの女の毒牙にかかって、腑抜けにされているのだ。
 この深刻な事態に危機感を覚えているのはわたくしだけ。

 「そんな……どうすればいいの……」

 焦燥感が強くなり、室内を意味もなくウロウロと歩き回る。

 今ここに、リュシーかヴェロニカがいてくれれば。
 わたくしの視線ひとつでロベリアを再起不能にしてくれるのに。

 そこでハッとする。
 もしや仲違いもあの女の計画なのか。
 後宮で権力を持つわたくしを恐れて、ヴェロニカに対立を煽ったのだとしたら。

 そうだ。
 きっとそうに違いない。わたくしを孤立させるために。

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