悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 そうか、彼女こそが神なのだ。
 余は女神に選ばれてこの世に生まれ出でたのだ。

 「愛しい、余の、余だけの女神……」

 感動に打ち震えながら、這いずるようにロベリアに近づく。

 距離が縮むごとに理解していく。
 女神は天の国に連れていくために、余にこのような試練を与えたのだ。
 生を全うするまで待ちきれず、ロエルという死神を遣わした。それほどまでに余の命を側に置きたいと願った。

 きっと今頃ルキウスには神罰が下っているに違いない。
 女神と愛しい男を引き離した大罪人。あやつさえいなければ、余とロベリアはとっくにひとつになれていたのだから。

 彼女にはこうなることが分かっていた。
 だから驚きもせず、余が近づくのをじっと待っている。
 まるでそこに辿り着くのが最後の試練だとでもいうように。

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