悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 姉の存在すら忘れていたくせに、自分のものを横取りされたと国王は怒り狂った。
 ロクに調査をされることもなく、姉は処刑、エミリオは永久幽閉を言い渡された。
 つまり自死というのは大嘘だったのだ。

 姉は殺された。
 欲呆けした老王と、薄汚い嫉妬を隠しもしない女に。
 姉を好き放題弄んだ挙句、見殺しにしたロエルも同罪だ。

 真実を知り怒り狂った私は、他の女官たちが止めるのも聞かず、後宮に女を漁りにきた国王に食ってかかった。
 なぜ姉を見捨てたのか。なぜよく調べもせず姉を殺したのか。

 国王は汚いものを見る目で私を一瞥すると、すぐに衛兵を呼んで引き剥がさせた。

 野次馬たちの中で、一際美しい女が醜く歪んだ嘲笑で暴れる私を見ていた。
 きっとあれがイレーヌという悪女なのだろう。
 一瞬のことだがすぐに分かった。

 裁判も何もないまま、私は重罪人が入れられる地下牢に送られ、満足な食事もないまま一ヶ月をそこで過ごすことになった。

 姉の件は王宮側にとって後ろめたいことだらけの事件だったのだろう。
 表沙汰にならないよう、私の見張りは最低限の人員のみだった。

 あらかじめ私の話を聞かないよう言い含められていたのだろう。
 牢番は「大嘘つきの大罪人だそうだな」とせせら笑い、日頃の鬱憤を晴らすかのように四六時中私に暴言を浴びせた。
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