【4/5書籍発売】悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 一度目の人生で、私の訴えを真剣に聞いてくれた彼なら。
 今回もきっと、頭ごなしに否定せず私の話を聞いてくれる。そう信じて話した。
 一度目のことも、ここにきた目的も、全て包み隠さず。

 もちろん最初は正気を疑われたけれど、後宮にきたばかりの街娘が知り得るはずのない情報を並べ立てたら、俄には信じ難いが、と真面目に詳細を聞いてくれたのだ。
 まるで一度目の時と同じように。

 「そうね、確かにそうすることもできたと思う」

 姉を追い詰めた女への復讐。
 姉を殺した男たちへの復讐。

 もちろん考えなかったわけではない。
 むしろ時間が巻き戻ったと理解した後、真っ先に思いついた。
 殺意しかなかったといっても過言ではない。
 だけど。

 「だけど、全部私の妄想だったら? 一度目のことは全部ただの夢で、それを事実と思い込んでいるだけの頭のおかしい女かもしれない」

 そう、その可能性は今もずっと考え続けている。
 知らないはずの未来の出来事。会ったことないはずの人間。

 一度目と同じことが何度起こっても、全部私が記憶を捻じ曲げて思い込みで無理やりこじ付けているのかもしれない。

< 186 / 206 >

この作品をシェア

pagetop