悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 「ねぇ、ロエル殿下の徽章をこの部屋に仕込んだのもあなたなんでしょう?」
 「なんのことか分からんな」

 わざとらしくとぼけるルキウスに笑ってしまう。
 やはり彼なのだ。
 これまで一度として陛下に疑いの目を向けられなかったロエルが、あんな初歩的なミスをするはずがない。
 もしルキウスが狙ってやったのであれば、それに乗るべきだと判断したのは正解だったらしい。

 「結果はともかく、あなたの協力のおかげで最悪の事態は回避できたわ。ありがとう」

 改めてルキウスに礼を言う。

 彼は国を変えてみせると大言壮語を語る私を面白がり、やれるものならやってみろとそれとなくアシストをしてくれた。
 陛下もロエル殿下も全然だめ、作戦を変えるわとげんなりする私に、全力で共感して相談に乗ってくれた。
 私が考えなしに突っ走るたび、「余計なことをするな」とお説教をされるのはいただけなかったが、それも私を心配してくれているのだと思うと嬉しかった。

 基本的に人目を忍んでの打ち合わせだから、いつ来ても大丈夫なように部屋の鍵はいつも開けていた。
 気がつくとルキウスの訪れが楽しみになっていたなんて。
 本末転倒すぎて笑えてくる。
 まぁそのせいでロエル殿下に侵入されてしまったのだけど。

 「どうした、急にしおらしくなって」
 「だって、もうここにいる必要がなくなっちゃったもの」

 苦笑して答える。

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