【4/5書籍発売】悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 「ちょっとなにニヤニヤしてるのよ!」
 「別に? 性悪女にもお姉様の素晴らしさは分かるのねって感心してただけ」
 「あんたのほうがよっぽど性格悪いじゃない!」

 私たちのやり取りに、タリアたちが笑う。
 孤高を気取る必要がなくなった今、こうして友人と呼べるような間柄の人間が増えたのは素直に嬉しい。

 食ってかかるヴェロニカをからかっていると、談話室のドアが勢いよく開いた。

 「ねぇ! すごいこと聞いちゃった!」

 イレーヌの元子分のリュシーだ。
 頬を上気させて、興奮に目を輝かせている。

 「イレーヌのやつ、領地に強制送還されて王都から永久追放だって!」

 まるで自分の手柄のようにはしゃぐリュシーに、冷めた視線を送る。
 隣のヴェロニカも似たような目だ。

 彼女は自分の悪事に自覚的だからまだマシだが、あのリュシーという女はこれまでの自分の行いを、全部イレーヌのせいだと本気で思っているからタチが悪い。
 今も、諸悪の根源のイレーヌが退治されて、自分は正義側だと思っているに違いない。

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