悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 「本当にそうね。勝手なことを言ったわ」

 彼とエミリオ殿下が力を合わせれば、後宮制度なんてすぐになくしてしまえる。
 そうなったら私は完全に役目を終えたことになり、荷物をまとめて実家に帰るしかない。

 「田舎からお姉様の活躍を祈ってる。ま、最悪絶縁されるかもだけど」

 なんたら侯爵との縁談をすっぽかして出てきた私を家族が受け入れてくれるかは疑問だが、他に行くあてはない。

 「いっそ舞台女優でも目指そうかしら」

 適当に言ったけれど、なかなか名案なのではないか。
 もし王都一有名になったら、国王夫妻が観にきてくれるかもしれない。

 「陛下を虜にしたくらいだもの。案外いけそうじゃない? そうだ、あなた私のパトロンになってよ」
 「そうではない」

 冗談めかして笑う私の言葉を遮って、ルキウスが眉間のシワを深くする。

 「王妃を輩出した家が、なんの優遇もないとでも思っているのか」

 怒っているというより、小さな子供に言い聞かせるような口調だ。

 「どういうこと?」
 「ガーランド伯爵家の家格は繰り上がり、伯爵自体も陪席権を得るだろうな」
 「本当に……?」

 王家に重用されないと嘆いてばかりで、税収を上げたり国に貢献するような努力をしてこなかった父の、大喜びする様が目に浮かんで胸がモヤッとする。
 いや、姉を利用して格上との政略結婚で地位向上を狙っていたから、ある意味大正解だったと言えるのか。
 なんとなく釈然としないが、国がそれを認めているなら私が文句を言うべきではない。
 「そして君は王妃の妹として、王妃付きの侍女長になれる」
 「え!?」
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