悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
「分からないのか?」
困ったやつだとルキウスが柔らかく笑う。
「単身後宮に飛び込む度胸。頭の回転の速さ。家族を思いやり、自分の身を犠牲にしてでも守る覚悟。挙句に国を丸ごとひっくり返してしまった」
惜しみなく注がれる賞賛の数々に、乾きかけていた目尻がまた滲んでいく。
誰かに褒められたくて始めたことじゃないはずなのに、ルキウスが私を認めてくれることがこんなに嬉しいなんて。
「好きにならない方がどうかしてる」
言いながらルキウスが立ち上がり、私の前で跪いた。
手の甲に、涙がポタリと落ちる。その手に、ルキウスがそっと大きな手を重ねた。
「すぐに返事をとは言わない。一つの選択肢として考えておいてくれないか」
「それは、そんな、でも」
伝えたいことは山程あるはずなのに、うまく言葉が出てこない。
後から後から嗚咽がこみ上げて、呼吸すらままならなかった。
「アイリス様の侍女として王宮入りすれば、さばききれない量の縁談が舞い込むだろう。そうなってからでは、私のプロポーズなど埋もれてしまうからな。要は焦った」
計算高い腹黒宰相らしからぬ稚拙な告白だ。
だけどその不器用なプロポーズが、私にとっては何よりも嬉しい。
話を聞いてくれた。
信じてくれた。
傷つかないよう守ってくれた。
そんな人を、私だって好きにならないわけがない。
ルキウスが苦笑しながら「つけ込むような真似をして悪かった」と言って立ち上がる。
離れていく手の温度が切なくて、咄嗟にその手を掴んだ。
驚いたような顔で見返すその表情が愛しくて。
「私も、あなたが好き」
国王を手玉に取った悪女とは思えない、なんの駆け引きも色気もない言葉が、自然に口から滑り落ちた。
ルキウスはぽかんと口を開けた後、これ以上ないくらい嬉しそうな笑みを浮かべて、強く私を抱きしめた。
困ったやつだとルキウスが柔らかく笑う。
「単身後宮に飛び込む度胸。頭の回転の速さ。家族を思いやり、自分の身を犠牲にしてでも守る覚悟。挙句に国を丸ごとひっくり返してしまった」
惜しみなく注がれる賞賛の数々に、乾きかけていた目尻がまた滲んでいく。
誰かに褒められたくて始めたことじゃないはずなのに、ルキウスが私を認めてくれることがこんなに嬉しいなんて。
「好きにならない方がどうかしてる」
言いながらルキウスが立ち上がり、私の前で跪いた。
手の甲に、涙がポタリと落ちる。その手に、ルキウスがそっと大きな手を重ねた。
「すぐに返事をとは言わない。一つの選択肢として考えておいてくれないか」
「それは、そんな、でも」
伝えたいことは山程あるはずなのに、うまく言葉が出てこない。
後から後から嗚咽がこみ上げて、呼吸すらままならなかった。
「アイリス様の侍女として王宮入りすれば、さばききれない量の縁談が舞い込むだろう。そうなってからでは、私のプロポーズなど埋もれてしまうからな。要は焦った」
計算高い腹黒宰相らしからぬ稚拙な告白だ。
だけどその不器用なプロポーズが、私にとっては何よりも嬉しい。
話を聞いてくれた。
信じてくれた。
傷つかないよう守ってくれた。
そんな人を、私だって好きにならないわけがない。
ルキウスが苦笑しながら「つけ込むような真似をして悪かった」と言って立ち上がる。
離れていく手の温度が切なくて、咄嗟にその手を掴んだ。
驚いたような顔で見返すその表情が愛しくて。
「私も、あなたが好き」
国王を手玉に取った悪女とは思えない、なんの駆け引きも色気もない言葉が、自然に口から滑り落ちた。
ルキウスはぽかんと口を開けた後、これ以上ないくらい嬉しそうな笑みを浮かべて、強く私を抱きしめた。