悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~

▽ロベリア・ガーランド:現在④終

▽ロベリア・ガーランド:現在④終


 エミリオ殿下の立太子の式典はつつがなく終了した。
 反乱分子もおらず、拍子抜けするくらい平和な式だった。
 おそらく陛下とロエルが退場する前からルキウスが根回しをしていたのだろう。
 つくづく有能な人だと、改めて尊敬の念が湧いてくる。

 国王はいまだセルヴァン・ラスセルトということにはなっているが、依然として意識は戻らないまま。
 実質国政を取り仕切るのはエミリオ殿下ということになる。
 一度目の空気のような扱いが嘘だったかのように、殿下は勢力的に改革に取り組んだ。

 後宮も近々解体されることが決まり、後宮女官として務めていた令嬢たちは皆、陛下によく仕えたと称えられ、良い嫁ぎ先を保証された。
 国王としては二流以下だが、女性を見る目は確かだった陛下の、お眼鏡に叶った女性ばかりだ。
 また、教育も行き届いており、完璧な淑女でもある。
 純潔でなくとも構わないという貴族の立候補者が後を絶たないらしい。
 綿密な身辺調査と降嫁させるにふさわしい家柄か審査を経たのち、ようやく顔合わせに移行し、女官が気に入れば無事縁談が成立するのだとか。

 「私は王宮で働かせてもらえることになったわ」

 華奢なティーカップを口元に運んで、ヴェロニカが嬉しそうに言う。

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