悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
自分を賢くて気高い女と思っているようだが、イレーヌは案外単純だ。
今もオレを手玉に取ったつもりで、優位に立った気になっている。
確かに一時期は年上の魅力とその肢体に溺れていたが、あとからあとから追加される美女たちに目が肥えて、夢中になるほどの価値はないと気づいてしまった。
それでも長年過ごした居心地の良さというのはある。彼女の機嫌を損ねて失ってしまうには惜しい。
「父上が大はしゃぎだったよ。いい年してみっともないったら」
呆れたフリをして、イレーヌが喜びそうなことを言う。
王妃になれると信じて疑わないイレーヌだ。父上を矮小化してみせると、自分の方が上と錯覚してより現実味を感じられるのか、得意げになるのがお決まりのパターンだった。
実際、近頃の父上は浮かれきっていて、息子としては痛々しくて見ていられない。
だが実のところ、その新入りにかなり興味をそそられてもいる。
なにせ後宮入り初日から個室を与えたというのだから驚きだ。
後宮制度を導入して以来初めての暴挙だ。
宰相ルキウスが滾々と説教している場面も目撃している。
だというのに、新入りの個室はいまだに取り上げられていない。
いつもなら思い付きの愚策を、ルキウスの理詰めで渋々ながらも撤回するのに、今回ばかりはそうしなかった。
よほどのぼせ上っているのだということが分かる。
今もオレを手玉に取ったつもりで、優位に立った気になっている。
確かに一時期は年上の魅力とその肢体に溺れていたが、あとからあとから追加される美女たちに目が肥えて、夢中になるほどの価値はないと気づいてしまった。
それでも長年過ごした居心地の良さというのはある。彼女の機嫌を損ねて失ってしまうには惜しい。
「父上が大はしゃぎだったよ。いい年してみっともないったら」
呆れたフリをして、イレーヌが喜びそうなことを言う。
王妃になれると信じて疑わないイレーヌだ。父上を矮小化してみせると、自分の方が上と錯覚してより現実味を感じられるのか、得意げになるのがお決まりのパターンだった。
実際、近頃の父上は浮かれきっていて、息子としては痛々しくて見ていられない。
だが実のところ、その新入りにかなり興味をそそられてもいる。
なにせ後宮入り初日から個室を与えたというのだから驚きだ。
後宮制度を導入して以来初めての暴挙だ。
宰相ルキウスが滾々と説教している場面も目撃している。
だというのに、新入りの個室はいまだに取り上げられていない。
いつもなら思い付きの愚策を、ルキウスの理詰めで渋々ながらも撤回するのに、今回ばかりはそうしなかった。
よほどのぼせ上っているのだということが分かる。