悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
「リュシー様なんて、イレーヌ様に気に入られるのに必死すぎて笑えてくるわ」
「でもヴェロニカ様はイレーヌ様のいないところではお優しいわ」
「でも止めてくださらないなら同罪よ」
そのうちに取り巻きたちにまで話が及んで、聞こえないようこっそりため息をつく。
陛下が新人に夢中なおかげで、初夜が中止になって以降も私はすっかり放置されている。
けれど陛下に呼ばれないのは、イレーヌを含めた全員だ。
安堵しているのは私だけで、陛下の寵を競い合ってきた女官たちは不安を感じ始めている。
おかげで後宮内は常にギスギスした空気が充満していて、どこにいても居心地が悪い。
いったいいつまでこんなことが続くのだろうか。
暗澹たる気持ちでもう一度ため息をつく。
「でも、さ。ホントどんな子なのかしら?」
「分かる。気になるよね」
「群れない孤高の女って感じ?」
「えーでも庶民出身のくせに、お高く止まってない?」
女官たちがクスクスと笑いを交わし合う。
いつの間にか話題は、共通の敵であるイレーヌ一派から、彼女たちを翻弄する謎の新人へと移っていたらしい。
女官たちの目には興味や好奇心の色が宿り、実に楽しそうだ。
「ロベリアっていうんでしょ? 何人もパトロンがいる舞台女優だとか」
「私は酒場でお客さんにたくさん貢がせてたって聞いたけど」
「ヴェロニカ様は娼婦だっておっしゃってたわよ?」
上級エリアから出てこないロベリアに、会ったことのある人間はここにはいない。
私も名前くらいしか知らない。だというのに、噂だけは数えきれないほど聞いている。
「でもヴェロニカ様はイレーヌ様のいないところではお優しいわ」
「でも止めてくださらないなら同罪よ」
そのうちに取り巻きたちにまで話が及んで、聞こえないようこっそりため息をつく。
陛下が新人に夢中なおかげで、初夜が中止になって以降も私はすっかり放置されている。
けれど陛下に呼ばれないのは、イレーヌを含めた全員だ。
安堵しているのは私だけで、陛下の寵を競い合ってきた女官たちは不安を感じ始めている。
おかげで後宮内は常にギスギスした空気が充満していて、どこにいても居心地が悪い。
いったいいつまでこんなことが続くのだろうか。
暗澹たる気持ちでもう一度ため息をつく。
「でも、さ。ホントどんな子なのかしら?」
「分かる。気になるよね」
「群れない孤高の女って感じ?」
「えーでも庶民出身のくせに、お高く止まってない?」
女官たちがクスクスと笑いを交わし合う。
いつの間にか話題は、共通の敵であるイレーヌ一派から、彼女たちを翻弄する謎の新人へと移っていたらしい。
女官たちの目には興味や好奇心の色が宿り、実に楽しそうだ。
「ロベリアっていうんでしょ? 何人もパトロンがいる舞台女優だとか」
「私は酒場でお客さんにたくさん貢がせてたって聞いたけど」
「ヴェロニカ様は娼婦だっておっしゃってたわよ?」
上級エリアから出てこないロベリアに、会ったことのある人間はここにはいない。
私も名前くらいしか知らない。だというのに、噂だけは数えきれないほど聞いている。