悪女ロベリアの矜持 ~欲にまみれた王族の皆様。〝ただの側室〟に翻弄される気分はいかがですか?~
 文句を言いつつもそれ以上反論しないのは、余の判断を信頼しているからに他ならない。
 エミリオも、ロベリアが余の言いつけを守り上級フロアから出ていないと報告してきた。
 不機嫌に振る舞っていても、結局は素直に従っているのだ。

 「ま、それもあと少しの辛抱だ」

 そんな可愛らしい恋人を、満足させるとっておきの切り札。
 本当はこのネックレスとともに披露するつもりだったが。

 「どういうこと?」
 「教育期間が終わり次第、直ちにそなたを正妃として迎えると決めた」

 ずっと言いたくてたまらなかった。
 彼女のために用意された部屋を、後宮などという狭い場所の頂ではなく、王宮の最奥に変えると。

 じっと目を見つめる。
 表情の変化を一つも見逃さないように。

 「本当、に……?」
 「ああ。余はそなたに嘘はつかぬ」

 ロベリアは驚いたように目を瞠った後、花がほころぶようにふわりと笑った。
 それはどんな花よりも華やかで、どんな宝石よりも美しかった。

 「あたしを王妃にしたいなら、あたしに相応しい国にしてちょうだいね」

 頬を紅潮させてロベリアが言う。
 今まで見た笑顔の中で一番輝いていた。

 言ってよかった。やはり間違っていなかった。
 胸が熱くなる。

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