可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 理由は、ヴァンレックに勝ってアイリスに褒められたいから。

(アリムが楽しそうなのはいいのだけれど)

 おやつを食べたのち、アリムとひとまず運動でもしようという話になった。

 そうしたら彼が雪遊びがしたいと希望した。

 アイリスは前世、そんなに雪も積もらない地域に暮らしていたので、初雪に胸が踊っていたし、了承した。

 メイドたちに寒くないよう厚着に整えられて、冬国を感じる耳まですっぽりと覆うもこもこの帽子もセットされ、玄関の外へ出た。

 空気はとても冷たかったが、この地の防寒着だと全然つらくない。

 手袋で大量の雪を集めて大きくしていく感触も気に入った。

 夢中になって二人で雪だるまのボールを作っていたら、ヴァンレックが来たのだ。

『俺も、する』

 白い吐息を大きく出しながらそう告げた彼は、馬を降りて走ってきたのか、息が切れていた。

 そうして、気付いたら父と子のバトルが始まっていた。

(大公様、お忙しいのではないかしら)

 雪が降って騎士団のほうは忙しそうだった。
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