可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 雪だるまを作ることに集中した。

 やはりヴァンレックは時々声をかけきた。

 アリムと一緒に面倒を見られているのではないか、とアイリスが感じ始めて間もなく、その感覚は正しかったのだと実感できるようになる。

「こうすると形を整えやすいから」
「はい」
「うん、上手だ」

 彼はよく隣を覗き込んできて、手本を見せてアイリスの雪だるま作りも見た。

 おかげで進行はスムーズだ。気付けば雪だるまの身体が三人同時に完成していた。

「顔の材料はこちらに」
「わぁ、すごいですねっ。旦那様、その箱はいったいどこから――」
「部下たちに協力してもらった」
「あとでお礼を言わなきゃですね」

 お手数をかけたなと思ったものの、箱の中の素敵な素材にアイリスは心がときめいた。

(うわ、うわああぁあぁっ、雪だるまを作っている感がすごいわ!)

 雪だるま作りは初めてだ。棒切れ、ニンジンや大きなボタン、マフラー……使えそうなものがたくさん入っている。

「あれ、このマフラー名前が書かれて――」
「シーマスのだから気にしないでいい」

 今頃寒くて困っているのでは、とアイリスはマフラーを持ち上げた状態で固まってしまった。
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