可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
森を抜けた途端、そこに広がったのは乗馬も可能な草原、そして巨大な邸宅を取り囲む贅沢で美しい庭園だ。
ヴァルトクス大公邸は、宮殿かと思うほどに巨大で荘厳だった。連なった建物は横に伸びていくつもの尖塔が見える。とはいえ美しいそれらは、いくつかは騎士たちが見張り台に使用している様子も見受けられた。
この世界には大型の害獣と魔獣が存在しているのだ。
害獣は馬よりも大きな肉食動物で、魔獣は猛毒を持っていたり蜘蛛の糸のようなものを吐いたり、身体を燃やすことができたりする厄介な大型生物だ。
そのため人族の三倍も力を持っている獣人族を、この国は重宝してもいる。
ヴァルトクス大公も、ヴァルトクス騎士団を率いて討伐を行っていた。
「えー……ご結婚おめでとうございます」
到着したアイリスを建物の前で迎えたのは、黒い騎士服を着込んだヴァルトクス騎士団。そして、邸宅に所属しているという百人近い使用人たちだ。
挨拶を切り出したのは主人ではない。
「団長、いえ、大公様の補佐官シーマス・ディックです。大公妃が本日無事にいらっしゃったこと、みな嬉しく思っています」
彼の言葉は大公からの代弁だと取ってもよさそうな状況ではあるが、勢揃いの歓迎を受けてもアイリスは心休まらない。
(これは――拒否、されているのかしら)
ヴァルトクス大公邸は、宮殿かと思うほどに巨大で荘厳だった。連なった建物は横に伸びていくつもの尖塔が見える。とはいえ美しいそれらは、いくつかは騎士たちが見張り台に使用している様子も見受けられた。
この世界には大型の害獣と魔獣が存在しているのだ。
害獣は馬よりも大きな肉食動物で、魔獣は猛毒を持っていたり蜘蛛の糸のようなものを吐いたり、身体を燃やすことができたりする厄介な大型生物だ。
そのため人族の三倍も力を持っている獣人族を、この国は重宝してもいる。
ヴァルトクス大公も、ヴァルトクス騎士団を率いて討伐を行っていた。
「えー……ご結婚おめでとうございます」
到着したアイリスを建物の前で迎えたのは、黒い騎士服を着込んだヴァルトクス騎士団。そして、邸宅に所属しているという百人近い使用人たちだ。
挨拶を切り出したのは主人ではない。
「団長、いえ、大公様の補佐官シーマス・ディックです。大公妃が本日無事にいらっしゃったこと、みな嬉しく思っています」
彼の言葉は大公からの代弁だと取ってもよさそうな状況ではあるが、勢揃いの歓迎を受けてもアイリスは心休まらない。
(これは――拒否、されているのかしら)