可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
(この身体、なんて体力不足なのっ)

 雪だるま一体を作っただけで、寒さと労働力に耐えられなかったようだ。

「旦那様、実はご報告したいことが。奥様は日頃――」

 メイドが許可をもらって近付く。アリムを気にして何やら手短にヴァンレックへ告げ、あとで詳細を報告したいと告げている。

 もちろんアイリスは大人だから、内容を察せてしまった。

(あ、あぁ~っ。私が日頃それとなく限界が来てケア入れてるの、気付かれてたっ)

 座っておもちゃで遊ぶ時は休憩代わりになるし、アイリスはうまいこと自分の体力配分を調整して、アリムに付き合っていた。

 アリムが一日に何度かお昼寝を入れる年頃なのも助かっている。

 足に限界が来た時には、メイドたちからマッサージを受けてどうにか次の子供相手に挑んでいたが、どうやらその無理もメイドには知られていたようだ。

「アイリスっ」

 目を潤ませたアリムが心配したように駆け寄ってくる。

 その姿へ目を向けたアイリスは、不意にぐんっと持ち上げられた。

「きゃっ」
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