可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 心配させるよりも、正面から思い切って打ち明けたほうがよさそうだ。

 そう考えて切り出してみたら、アリムがようやく聞いてくれる態度を取る。アイリスは話しを続けた。

「私は、他の人族令嬢に比べても、全然追いつかないほど体力が少ないと思う」
「……病気?」
「ううん違うわ、単に使わなかったからよ。屋敷では部屋から出ることはあまりなかったし、社交界にもほとんど出してもらえなかったから」

 ぴたりとアリムが止まる。

 彼のブルーの目が見開かれた。驚きというより、子供にしては違和感を覚える静かな理解と、強い感情を抑えてその目が金色に光っているようにアイリスには見えた。

(ううん、ただ戸惑っているのかも)

 アリムにはまだ早い話しだ。

 アイリスは、彼の肩を優しく引き寄せる。

「隠していてごめんね。アリムとの楽しい散歩に付き合っていたら、少しずつでも増えるんじゃないかって考えていたの。これからは体力作りもしていくわ。そうしたらアリムと、もっと遊べるもの」
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