可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「……そ、そんなことよりっ」

 アイリスは二人の間に身を乗り出し、力任せに話の矛先を変えることにした。

 よくは分からないが『まずい』と本能が訴えている。下がったメイドたちは震えているし、あのブロンズも空気を気にしている様子だ。

「これから体力作りをしていこうかと話していたところなんですっ。屋敷の皆さんのお力をお借りしても!?」
「この邸宅の人員、施設は好きなだけ自由にしていい。俺にもできることがあれば、全面的に協力しよう」
「あ、ありがとうございます……? 心強いです」

 屋敷の主の許可がすんなりと取れただけでなく、まっすぐ見据えられ力強く『協力する』とまで約束されて、アイリスは戸惑う。

「あっ、子育てには体力が必要ですもんねっ」

 だからか、と納得がいく理由を閃いた。

 するとヴァンレックが、ハタとした様子で口に手をあてる。

「どうかされました?」
「いや……そうだな、体力も必須だ」
「ええ、そうですよね。私、がんばります!」

 頼まれたからには、ここにいる間の子育て任務を遂行する。そのためにも改善していこうと、アイリスは心に決めた。
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