可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 逃げられないよう早急に外堀を埋められている感じがする。

 ブロンズは優秀だった。アイリスが一緒にヴァンレックのもとに言って改めて伝え、許可をもらうなり早速手配し、ダンスのカリキュラムを作り上げる。

 それが仕上がったタイミングで、仕立て屋が到着したと告げられた。

 まだ一時間も経っていないというのに雪の中やってきたのかと驚きながら、アイリスは一階の玄関ホールに一番近いサロンへ移動したのだ。

「うーん、コンセプト違いで三番目も着けていただきましたが、どれも着こなせてしまうなんて素晴らしいですわ。お美しいですわよ」

 デザイナーはうっとりとアイリスを眺める。

 褒められて悪い気はしない。『アイリス』の素材がいいことは、転生した際に『有栖』の目線から思っていたことだ。

 しかもデザイナーは、悪女っぽい見た目は他にない最大の魅力(武器)と褒めた。

「この黒と赤の、しかも身体のラインもかなり見せる攻めたドレスを着こなせるなんて! 奥様はこれまで出会った女性たちの中で、わたくしの最高のモデルですわ!」
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