可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
そういえば、とアイリスは思い出す。
昨日からブロンズによる大公妃教育が始まった。まずは基本の姿勢をチェックしてもらうことになったのだが、とてもいいと彼は褒めていた。アイリスも日頃から自分の姿勢がいいことは自覚している。
(たぶん普段から姿勢を崩していたらそうならないはずと、分かる人には分かるのかもしれないわね)
記憶を手繰り寄せる限り『アイリス』は礼儀正しい子だった。
「失礼ですが、知識のほうは?」
レベッカ伯爵夫人が、ダンスの型といった名前をいくつか挙げてくる。
「どれも、全然分かりません……幼い頃に数回だけしか学んだことはなく……」
アイリスが静かに首を横に振ると、彼女だけでなく、ヴァンレックたちも驚きを隠せない様子だった。
「ということはもしや……一度も踊られたことはない?」
「はい、ありません。そもそも家族は、私にはダンスを実際踊ることについては不要だと考えていたようでした」
ぼかして大雑把に伝えた。軽く流そうとぎこちなく笑って答えたのだが、なぜかレベッカ伯爵夫人の顔色が悪くなる。
昨日からブロンズによる大公妃教育が始まった。まずは基本の姿勢をチェックしてもらうことになったのだが、とてもいいと彼は褒めていた。アイリスも日頃から自分の姿勢がいいことは自覚している。
(たぶん普段から姿勢を崩していたらそうならないはずと、分かる人には分かるのかもしれないわね)
記憶を手繰り寄せる限り『アイリス』は礼儀正しい子だった。
「失礼ですが、知識のほうは?」
レベッカ伯爵夫人が、ダンスの型といった名前をいくつか挙げてくる。
「どれも、全然分かりません……幼い頃に数回だけしか学んだことはなく……」
アイリスが静かに首を横に振ると、彼女だけでなく、ヴァンレックたちも驚きを隠せない様子だった。
「ということはもしや……一度も踊られたことはない?」
「はい、ありません。そもそも家族は、私にはダンスを実際踊ることについては不要だと考えていたようでした」
ぼかして大雑把に伝えた。軽く流そうとぎこちなく笑って答えたのだが、なぜかレベッカ伯爵夫人の顔色が悪くなる。