可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
意地悪な笑顔で勝ち誇ったように女性が告げる。
「もう一度言うわ、あなたには、あの恐ろしいヴァルトクス大公のもとに嫁いでもらうわ」
わざとらしく繰り返した『生贄』やら脅しみたいな言いようからして、『アイリス』がずいぶん嫌われているのが分かった。
(ところでこの人、誰?)
内心首を捻り、考える。
「恐ろしくて声も出なくなったのかしら? もしかして気になる? あなたを見合い相手にと希望してきたディオッド公爵家の血縁、若きライノーアル伯爵については、妹に譲ってちょうだい。ちょうどよく結婚の話が出たものだわ」
「そもそもお姉様より私に似合う人だものっ」
少女が女性に抱き着く。
「ええそうね、アンメアリー。あなたに相応しい好青年だわ」
見ていて品もなくて、ゲロゲロ言いたくなってきた。
早く退場したい。落ち着いて考え事だってできやしない。
そもそも先程から告げられている名前は、自分のものではないのだ。ずきずきと痛む頭を押さえてよろりと立ち上がると、何やら男が注意してきた。
「もう一度言うわ、あなたには、あの恐ろしいヴァルトクス大公のもとに嫁いでもらうわ」
わざとらしく繰り返した『生贄』やら脅しみたいな言いようからして、『アイリス』がずいぶん嫌われているのが分かった。
(ところでこの人、誰?)
内心首を捻り、考える。
「恐ろしくて声も出なくなったのかしら? もしかして気になる? あなたを見合い相手にと希望してきたディオッド公爵家の血縁、若きライノーアル伯爵については、妹に譲ってちょうだい。ちょうどよく結婚の話が出たものだわ」
「そもそもお姉様より私に似合う人だものっ」
少女が女性に抱き着く。
「ええそうね、アンメアリー。あなたに相応しい好青年だわ」
見ていて品もなくて、ゲロゲロ言いたくなってきた。
早く退場したい。落ち着いて考え事だってできやしない。
そもそも先程から告げられている名前は、自分のものではないのだ。ずきずきと痛む頭を押さえてよろりと立ち上がると、何やら男が注意してきた。