可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
 狼の金色の目が見開かれ、じっと見てくる。

「先程の答えです。旦那様が……寂しい思いをして一人過ごすのは嫌だな、て……」

 すると狼が鼻を鳴らし、前脚に顎を乗せた。

「君はやっぱり、素直な人だ」

 困っているのか、それとも呆れているのか今の彼からは分からない。ただ、近くから見ることになった狼の大きな金色の瞳に、アイリスはやはり怖さは感じなかった。

「先程は大丈夫ではないとおっしゃっていましたけど、これだけ近くてもいいんですか?」
「いい。いや、問題ないと言うべきか……恐らく、大丈夫なんだろうな」

 うーんと狼が宙を見やる。

「アリムは……もしや俺が不甲斐ないから君をここへ……?」
「何を言っているんですか。アリムは、パパが心配しすぎて、こうして獣人族の秘密の力を見せてまで私を送り届けてくれたんですよ!」

 途端、狼が苦笑いをこぼした。

「なるほど、君はそう考えるわけか……はは、は……」
「わぁ、狼も苦笑いがこぼれるものなんですね」
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