可愛いあの子の継母になるなら、獣人大公の嫌われ妻でも構いませんわ!〜どうやら私は侯爵家の悪女のようです〜
「お休みのところ申し訳ございません」
「大丈夫よ。体力も少しは増えたから。どうしたの?」
「奥様への品が届いています」
「品……?」

 覚えがない。

 不審に思いながら運ぶようお願いすると、それは箱に入った三着の美しいドレスだった。

「え」

 何、これ、とアイリスは固まる。

「旦那様がダンスの練習用にと、注文されていたものです」

 男性の使用人たちに箱を開けることを手伝わせたブロンズが、説明してメッセージカードを差し出す。

【気に入ってもらえると嬉しい】

 そこにはヴァンレックの名前付きで、そんな言葉が書かれていた。

(……散財?)

 アイリスはしばし動けなかった。

「わぁっ、これアイリスによく似合いそうだねぇ! 普段着でもよさそう。早速着けてみようよ!」

 アリムが大はしゃぎで言った。

「えっ」
「よいお考えかと思いますわ。さっ、奥様、せっかくですし、試着がてら一つ着てみましょう。どちらのドレスがよろしいですか?」

 メイドたちはすでに乗り気だった。
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